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むし歯予防の為のフッ化物について②

今回はむし歯予防の為のフッ化物の安全性についてお話しさせて頂きます。

安全性について

①一般的に、安全性や危険性はどのように判断したら良いのでしょうか?

絶対に安全であるという物質は存在しないことをまず認識してください。

塩は人間にとって必要な栄養素ですが、摂りすぎれば高血圧の原因になりますし、ビタミンにも急性と慢性の毒性があります。

ビタミンAの急性障害は悪心・嘔吐、腹痛、頭痛、めまい、意識障害、慢性の障害には食欲不振、体重減少、不眠、興奮、めまい、脱毛、皮膚の落屑です。

妊婦によるビタミンAの過剰摂取は胎児に奇形をもたらします。

骨や歯の石灰化に欠かせないビタミンDは毎日0.25~1.25mgの摂取で高カルシウム血症、腎障害、軟組織の石灰化障害などの中毒を起こします。

ところが、通常の食生活ではこのような物質による危険性は現実のものとはなりません。

フッ化物応用についても同じです。過去55年以上も実施され続けてきたコントロール下でフッ化物応用において、急性および慢性の障害が現実のものとなったことはありません。

フッ化物応用について危険性が指摘されているのは、単なる可能性、あるいは現実では考えられないほど大量を摂取した場合のものです。

 

一般的に毒作用として注意しなければならないのは、

①急性中毒(一度に大量を摂取した場合)、②慢性中毒(急性中毒は起こらないが、頻回に長期摂取した場合)、③遅延毒性(現在の摂取は少ないが、過去の摂取の影響が遅れて発現する場合)、④アレルギー作用、⑦相乗効果(他物質の摂取が増幅される場合)です。

フッ化物応用について今まで指摘された危険性は全て論破されています。

②フッ化物利用の反対論についての学問的誤り

日本にも外国にも、フッ化物利用に反対するグループが存在していることは事実です。

宗教的、政治的、感情的理由で反対運動に参加している場合が多いようで、むし歯の問題をさほど重要視していない為、真剣にフッ化物応用について考えたり、むし歯予防活動を展開しないという特徴があります。さらに、自分自身で研究する訳ではなく、他人の研究結果の一部だけを抜き出して結論を覆したりするのが得意です。

以下に、フッ化物利用の反対論の学問的な誤りをまとめます。

①フッ化物応用は安全であると結論づけた研究から、自分に都合の良い一部のデータを取り出して、再度集計し直して危険であると結論づける。

②フッ化物応用は危険であるという結論を導き出すために不正確な調査や実験結果を根拠にする。

③公害、毒、薬害、がん、化学物質、エイズ、汚染など、恐ろしいイメージの言葉を使って一般の恐怖心を煽る。

④過去に否定された内容の危険性を繰り返し主張し、いまだに賛否両論があるように見せかける。

⑤フッ化物の摂取量を無視して、濃度だけで危険性を指摘する。

例えば、水道水フッ化物添加のフッ素濃度は1ppmなのに、フッ化物洗口は250ppmと250倍も高いから危険であると主張する。

実際は水道水は摂取するものであるのに対し、フッ化物洗口は口に含んで吐き出すものなので、摂取量は少なくなる。

⑥因果関係を無視して、危険であると一方的に結論づける。例えば、生えてからの歯に高濃度のフッ化物を何度も塗布するとフッ素症歯になると主張する。しかし、フッ素症歯になるのは歯が作られている時期に限定した過剰のフッ化物摂取が原因であるため、実際にはフッ素症歯にならない。

 

③フッ化物は健康に有益なのか有害であるのか?政府や専門的見解

 

これと同じ質問が、昭和59年12月21日付で当時の国会議員から国会に提出された「フッ素の安全性に関する質問主意書」の中にあります。

これに対する回答が当時の中曽根内閣総理大臣の答弁書に記載されています。

それによれば「フッ素は種々の元素と結合し自然界に広く存在する物質であり、適量では人体に必要な栄養素であると言われているが、大量に環境中に放出された場合、大気汚染による植物等の被害や水素汚濁による魚への被害が生ずるため、環境への排出について規制している。なお、むし歯予防のために使用されるフッ化物については、微量であるので影響はないものと考える。とあります。

 

④体内に入ったフッ素はどうなるのか

口から摂取されたフッ素は食道を通って胃に入ります。

食品などの固形物に含まれるフッ素は吸収されないものが多く、腸を通って糞便として排泄されますが、水溶性のものは吸収率が高いことが知られています。吸収は主に胃・小腸で行われ、歯や骨などの組織に沈着するもの以外はほとんどが尿として排泄されます。

成人の場合、摂取されたフッ素の約90%は糞尿を中心に、残りは汗や唾液などから体外に排泄されることが知られています。

吸収されなかったフッ素は、血液を介して体内の硬組織(骨・歯など)や軟組織に移行しますが、軟組織にはほとんど沈着しません。

また、いったん骨などに沈着したフッ素は永久的に蓄積するのではなく、将来的には生体にとって不要な部分は尿中に排泄されてしまいます。

しかし、骨や形成期の歯をもつ小児などの場合は、発育過程で生体がフッ素を必要とするため、血液を介して吸収されたフッ素の40%くらいが生体に利用されます。

➡️成人は90%排泄される

➡️小児は60%排泄される

➡️残りは骨や歯などにつく

 

 

むし歯予防のフッ素利用の安全性についてはご理解頂けたかと思います。

次回はフッ素塗布について書いていこうと思います。