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むし歯予防の為のフッ化物についてQ &A

当院では、お子様のフッ素塗布にも力を入れており、港区の「すこやかちゃんフッ素塗布」

実施歯科医療機関にもなっております。

 

フッ素についてよく患者様からご質問頂くことがあります。

フッ素が歯に良いということは知っているけど、いまいちどのように良いのか、また毒素や副作用について心配があったりする方も多いかと思います。

今回はそれらのご質問頂いたことをこちらで分かりやすく解説していこうかと思います。

 

①むし歯予防に使用するフッ素とは何ですか?

フッ素は私たちの身体を構成する元素であるとともに、周辺の色々な所に存在しています。(動植物、大気、雨、川水、海水、土など)

地球上の地殻の全元素(92元素)の中で13番目に多く存在しています。

身体全体で平均すると、42.8ppm(ug/g)、つまり体重1kg当たり42.8mgのフッ素が含まれている事になります。

また、全ての飲食物に自然と含まれているものであり、日常的に摂取しています。

また、フッ素はあらゆる元素の中で最も電気陰性度と反応性が強い為自然界では遊離の元素としてではなく、そのほとんどが安定な無機の化合物(フッ化物)として存在しています。

むしろ虫歯予防に用いるフッ化物は産業活動の結果生じるフッ化物とは異なり、自然界に存在するほたる石や水晶石から精製したフッ化ナトリウム(NaF)などの無機のフッ化物を使用しています。

②フッ化物はどうして虫歯を予防してくれるのですか?

フッ素が虫歯予防に有効な理由は大きく2つあります。

1つは歯そのものに対する作用(エナメル質の安定化作用)、もう1つは歯の周囲に存在する事による作用(再石灰化促進作用、プラーク細菌に対する抗菌作用)です。

※下記で詳しく説明いたします。

・エナメル質結晶の安定化作用

歯の表面はエナメル質という水晶よりも硬い組織で覆われています。

その結晶はハイドロキシアパタイトですが、欠陥部分があります。

フッ化物はエナメル質に作用して欠陥部分を修復したり、酸に溶けにくいフルオロアパタイトという結晶を生成したりします。

結果的にエナメル質の抵抗性を増強し、むし歯を予防します。これがフッ化物塗布に期待できる効果です。

・再石灰化促進作用

むし歯はエナメル質に付着したプラーク(歯垢)の中で作られた酸が、エナメル質を脱灰する事ではじまります。

初期のむし歯はエナメル質の表層より少し下から始まる為、ある時期までは表層が残り、一見するとむし歯ではなく、白い斑点が生じたように見えます。

ところがその下ではむし歯が進行して空洞が大きくなり、食事などの外圧によって最上層が陥没して穴があくのです。しかし表層のエナメル質が残っている初期のむし歯の状態の時は、唾液などが作用して、脱灰した部分を元に戻す作用(再石灰化)が期待できます。歯の周囲の唾液などに存在しているフッ素は、この再石灰化を促進する作用を持っています。

・プラーク細菌に対する抗菌作用

フッ化物は、プラーク中に生息しているむし歯の原因菌の酵素の動きを阻害したり、酸を産生する能力を抑制してむし歯を予防します。

フッ化物という薬に頼るのではなく、歯磨きと甘味制限でむし歯予防したいのですが?

むし歯予防の基本的手段は、歯磨き甘味制限フッ化物利用です。

歯磨きはむし歯の原因である歯垢を除去するために行い、甘味制限は歯垢の形成や歯垢の中で作られる酸の量を抑える為のものです。

フッ化物は歯垢が付着しても溶けにくい歯と歯の周囲環境を作るために利用します。

残念な事に、この中の1つとして100%むし歯予防を発揮するものはありません。したがって、これらの基本手順は並行して実施するべきものです。

また科学の世界では絶対という言葉はあり得ませんし、フッ化物以外のこれらの基本手段も絶対安全とは言えません。歯ブラシ使用により長期的には歯が摩耗し、歯茎の退縮の原因にもなりますが、それを恐れて歯ブラシを使用しなければそれ以上の害が生じます。

甘味制限にも栄養的、心理的にはマイナス面もありますが、むし歯予防の為の甘味制限は行わないほうが良いという人はいないはずです。

フッ化物においても同じです。できるだけ欠点を出さずに長所を引き出す上手な使い方が研究され、実施されています。フッ化物利用は十分に研究され、55年以上の歴史を持つ確立された予防手段です。

現在の保険医療は、効果や安全面に関してできるだけ根拠の高い手段を利用しています。

これをEBM(Evidence based medicine)と言いますが、EBMの点で推奨されるむし歯予防手段は、フッ化物利用とシーラント処置なのです。

 

 

▪️ここまで読んで頂き、フッ化物について何となく分かって頂けたかと思います。

フッ化物の安全性についてはまた次回の記事で詳しく書いていこうかと思います。