〒105-0014 東京都港区芝2-6-3

口腔内環境悪化による身体への影響について

口腔内の環境を清潔に保つことは、全身の良好な健康状態を保つことに繋がることは、よく知られており、

日本歯科医師会は、歯や口の健康を維持することが重要としています。

 

コロナウィルスの情報も日々、様々なものが出ています。

最近注目されている歯周病とコロナウィルスとの関連性について、

「鶴見大学の歯学部、花田教授の見解によると、歯周病患者は、無菌のはずの血液の中に細菌が存在する、菌血症などを発症する可能性が高く、新型コロナウイルスに感染すると、サイトカインストーム(免疫暴走)の危険性が増えるため、歯周病などが原因で、新型コロナウイルスが重症化するおそれがあるとの見解が示されていた。」

という見解が出されました。

 

歯周病は、歯周組織に起こる慢性の炎症性疾患である。

口腔内の嫌気性菌が主な原因菌であり、

それらと宿主との免疫反応により様々な炎症性物質が産生され疾患が進行するとされています。

その病態に生活習慣が影響しているため、現在では生活習慣病の一つとされています。

近年は、誤嚥性肺炎や糖尿病、動脈硬化、妊娠合併症などの全身疾患との関連にも注目されています。

この点では様々な論文が出されており、

口腔内の環境維持と全身疾患についてはエビデンスレベルの高いデータとして科学的に存在しています。

歯周病は以前から、糖尿病の合併症の一つと言われてきました。

(※糖尿病の人は、そうでない人に比べて歯肉炎や歯周炎にかかっている人が多いという疫学調査が複数報告されています。)

さらに最近は、歯周病になると糖尿病の症状が悪化するという逆の関係も明らかになってきました。

つまり、歯周病と糖尿病は、相互に悪影響を及ぼしあっていると考えられるようになっています。

また、歯周病治療で糖尿病も改善することも分かってきており、歯学部などの教科書にもしっかりと記載がされています。

 

平成17年7月に出された「口腔と全身の健康状態に関する 文献調査報告書」によりますと、

・歯周病と循環器疾患

・歯周病と循環器疾患について

・歯周病と低体重児出産について

などがまとめられています。

感染症の研究の進歩とそれに伴う概念の拡大により、従来知られていた急性感染症だけでな く慢性感染症や持続感染症という新しい概念が確立してきています。

 

いくつかの生活習慣病が感染症に再分類され始め、口腔には腸内に匹敵する種類の細菌が検出されており、

これらの細菌の一部は持続感染している歯周病巣から循環器へ、誤嚥によって呼吸器に拡がることも明らかになってきています。

歯周炎組織で産生されたさまざまな炎症性サイトカインが全身循環を経由して

血管、脂肪組織、肝臓などに持続的かつ軽微な炎症を起こすと考えられています。

 

※腸内細菌の重要性の認識は今に始まったことではな く、

「免疫食細胞説」でノーベル賞を受賞したロシアの メチニコフは、

腸内の腐敗細菌が老化と関係するという 仮説を提唱しました。

また、光岡知足博士は 1969 年に腸内 細菌叢の宿主に与える影響について論じています。

プラーク中の歯周病原性細菌が炎症により損傷した 歯周ポケット上皮より組織内に侵入し、

全身循環を介して遠 隔組織に影響していきます。

 

近年では、歯周病と様々な癌との関係性についても沢山の論文が出されています。

米国がん学会(AACR)の学術誌 Cancer Researchに掲載された研究によると、

口腔内に存在する細菌を分析した結果、

歯周病を発症させる何種類かの細菌が食道がんの高リスクと関連することがわかりました。

 

「Ahn博士と共同研究者たちは、

口腔内細菌叢が食道腺がん(EAC)または食道扁平上皮がん(ESCC)の続発リスクと関連するかどうかを判断するために、

2つの大規模な健康調査(国立がん研究所の前立腺がん、肺がん、大腸がんおよび卵巣がんスクリーニング試験、米国がん協会がん予防研究II栄養コホート)で、

122,000人の参加者から経口洗浄サンプルを採取した。

10年間の追跡調査中、106人の参加者が食道がんを発症した。

前向き症例対照研究では、研究者たちは口腔洗浄サンプルのDNAを抽出し、

配列を調べることにより、食道がん症例とがんのない症例の口腔内細菌叢をそれぞれ比較した。

特定の細菌種は食道がんの高リスクと関連性があった。

たとえば、高レベルのタンネレラ・フォーシスティア菌は、

食道腺がんのリスクを21%高めた。ポルフィロモナスジンジバリス菌は、高リスクの食道扁平上皮がんと関連していた。

Ahn博士は、両方の細菌種が一般の歯周病に関係していると指摘した。

本研究では、いくつかの種類の口腔内細菌が食道がんのリスク低下と関連することがわかった。

たとえば、ナイセリア属細菌は、低リスクの食道腺がんと関連していた。

Ahn博士は、特定の細菌が防御効果を有する可能性があり、

将来研究でこれらの細菌が食道がんを予防する役割を担うのかどうか調べることができる可能性があると述べた。」

 

 

歯周病と心血管疾患, 消化器ガン, 結腸直腸ガン, 糖尿病, インスリン抵抗性, アルツハイマー, 気道感染症抵抗性, 早産との関係について改めて論文発表がされています。

その中で歯科・医科治療中の「菌血症」に警鐘が鳴らされていて, 根管治療に対しても注意が必要とされています。

“Association between periodontal pathogens and systemic disease. “(Biomedical J. 2019)

 

 

以上の点をまとめると、

コロナウイルスと口腔内環境・歯周病の関係性があるという見解は、起こりうることが自然だとも考えられるかと思います。

コロナウイルス に関する論文は、日々沢山出されていますが、新しいウイルスの為、高いエビデンスレベルを示すのはまだ難しいです。

この先、このウイルスと付き合って行くためにも、自身でエビデンスレベルを判断し、無意識バイアスをかけないで見ていくことが重要です。

 

日本歯周病学会では、このようなガイドラインが示されています。

 

 

 

40代以上の日本人の80%は、歯周病に罹患していると言われており、

若い頃からのメンテナンスが重要となってきます。

定期的に歯科医院で定期検診を受けている人と受けていない人では、80歳になった時に残っている歯の数に大きな差が生まれてしまいます。

当院でも、3ヶ月に1度のメインテナンスを推進しており、患者様の一人一人の健康な口腔内維持の手伝いが出来たら幸いです。

保険適応でのクリーニングも随時受け付けておりますので、お気軽に、当院までご連絡ください。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

芝二丁目歯科